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NICAとは
自然科学研究機構では、これまで複数の所属の異なる研究者が連携する「ネットワーク型共同利用・共同研究」を推進してきました。これを個々の研究者間の連携からさらに大きく大学間連携研究へと発展させ、より一層の研究の大幅な推進を目指すべく、「自然科学大学間連携推進機構 NINS Inter-University Cooperative Association(NICA)」を新たに構築しました(2017年度)。
NICAは、自然科学研究機構に所属する5つの研究所と複数の分野で大学間連携ネットワーク型の共同利用・共同研究を進める13大学に参画をいただき、大学組織からのさまざまな要望に応えていきます。具体的には、各分野で実施されている研究のさらなる発展に向けた議論や、研究を支えるために必要な最先端技術の取得、研究支援人材の育成、さらにはPIなど優秀な若手人材の育成など、さまざまな課題にも積極的に取り組んでいます。
大学間連携研究ネットワーク
先端バイオイメージング支援プラットフォーム
(基礎生物学研究所、生理学研究所)
各種の先端・特殊イメージング機器を運用している国内の大学など、機関によるプラットフォームを組織し、我が国における生命科学を包括した先端イメージング支援を行っています。
ナショナルバイオリソースプロジェクト
(基礎生物学研究所)
<メダカ:基礎生物学研究所>
生物科学分野、環境学分野、水産学分野、ゲノム科学分野、基礎医学分野など幅広い領域からリソースとしての要望を受ける「メダカ」について、安定的なシステム運用による利便性の向上と、先導的バイオリソースとしての構築によるメダカを用いた研究のさらなる発展を目指しています。
<アサガオ:基礎生物学研究所>
NBRP「アサガオ」ではアサガオを使った遺伝学、分子生物学、植物生理学、天然物有機化学、園芸学、分子進化学等、生物学の研究に資するため、当研究室で保存しているアサガオ系統を提供することを第1の目的としています。また、教育目的や、一般の趣味家の方にも種子を提供しています。
大学間連携による新規モデル生物の開発拠点形成
(基礎生物学研究所)
新規モデル生物開発センターは2013年度に新たに設置された組織であり、共生現象を理解するためのアブラムシやセイタカイソギンチャク、昆虫の進化研究のためのカブトムシなど、今まであまり研究に用いられてこなかった生物が新たな研究モデルとして確立されつつあります。現在、新規モデル生物に関する情報共有、遺伝子解析から遺伝子改変、表現型解析までをシームレスに繋げる研究のパイプライン化に取り組んでいます。
大学連携バイオバックアッププロジェクト
(基礎生物学研究所)
生物遺伝資源のバックアップ拠点として研究途上の生物遺伝資源をバックアップ保管し、日本の生命科学研究の安定した発展に寄与するとともに、保存方法の確立していない多様な生物遺伝資源を長期間安定して保存するための新規保存技術の開発を推進しています。
超高磁場磁気共鳴画像装置を用いた双方向型連携研究によるヒト高次脳機能の解明
(生理学研究所)
脳機能イメージング等の飛躍的な進歩により、脳科学は従来の断片的観測から、脳機能をトータルで見る機能的観測へと急速に移行しています。脳機能研究領域において、わが国が世界最先端の研究を先導していくため、超高磁場(7テスラ)MRIを保有する大学共同利用機関である生理学研究所は、国内外の研究機関とネットワークを形成してMRI研究の基盤を構築するとともに、全国の大学等からの利用希望者へ機器と技術を供するだけでなく、超高磁場MRIを駆使できる人材の養成にも貢献しています。
大学連携研究設備ネットワーク
(分子科学研究所)
「大学連携研究設備ネットワーク協議会」の下に、全国大学に設置された汎用研究設備を先端設備として復活再生するとともに、設備の相互利用の促進およびそれを軸とした共同研究の促進を行っています。
双方向型共同研究
(核融合科学研究所)
特徴ある核融合関連研究設備を持つ大学などの機関と核融合科学研究所との間で、双方向性のある共同研究を進めることで、核融合研究の一層の発展を目指していきます。
大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築
(国立天文台)
国立天文台や各大学・大学共同利用機関法人が持つ望遠鏡を機能的に統合する、可視光・赤外線での多地点・多機能な観測ネットワークを構築し、大学の枠を越えた研究拠点を形成しています。
大学間連携VLBI連携観測事業
(国立天文台)
国立天文台や日本国内の大学・研究所が有する電波望遠鏡を組み合わせたVLBI(超長基線電波干渉計)の観測ネットワークを日本国内に構築し、各大学においてVLBIを用いた研究・教育を展開しています。さらに、東アジア地域でのVLBI連携も推進しています。