情報公開
兼業・兼職 プライバシーポリシー 調達情報(事務局) 機関別の調達情報 企画競争を前提とする公募 意見招請 随意契約事前確認公募 事務局職員採用情報 よくある質問(FAQ) 労働施策総合推進法に基づく中途採用比率の公表

機構について

自然科学研究機構について

5機関の概要

 自然科学研究機構は、平成16年4月の法人化により新たに発足した4つの大学共同利用機関法人の1つで、文部科学省の大学共同利用機関であった国立天文台(東京都三鷹市ほか)、核融合科学研究所(岐阜県土岐市)、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)、生理学研究所(愛知県岡崎市)、分子科学研究所(愛知県岡崎市)の5つの研究所が連携し、天文学、物質科学、エネルギー科学、生命科学その他の自然科学に関する研究の推進を目指します。

国立天文台:National Astronomical Observatory of Japan(NAOJ)

alma-aerial-aos.jpg subaru2NAOJ.jpg

左:アルマ望遠鏡全景(南米チリ © ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))  右:すばる望遠鏡内部(ハワイ)

 天文学は人類最古の学問のひとつです。そこには、宇宙の構造を知ることを通して、自らの成り立ちを明らかにしたいという、人類が持つ根源的な欲求が込められています。国立天文台は、常に新しい観測手段に挑戦し、地球・太陽系天体から太陽・恒星・銀河・銀河団・膨張宇宙にいたる宇宙の諸天体・諸現象についての観測と理論研究を深めることによって、人類の知的基盤をより豊かなものとし、宇宙・地球・生命を一体として捉える新たな自然観創生の役割を果たしたいと考えています。

Topics of Research 01:太陽観測衛星「ひので」がみた太陽

スクリーンショット 2023-03-24 14.35.40.png

 太陽観測衛星「ひので」は、2006年の打ち上げ以来10年以上にわたって、太陽の活動を観測し続けています。私たちに最も近い恒星である太陽は、地球で生命が育まれるために不可欠な存在であるとともに、私たちの活動や環境に多大な影響を及ぼしています。「ひので」のデータは観測後すぐに公開され、世界中の太陽や宇宙環境の研究に役立っています。

Topics of Research 02:重力レンズ天体「ホルスの目」

スクリーンショット 2023-03-24 14.36.07.png

 すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSCによって、広範囲の天空が高解像度で観測され暗い天体まで捉えられるようになりました。「ホルスの目」はその一環で発見された天体です。遠くにある2つの銀河からの光が、手前の銀河の重力によって曲げられ、奇妙な形に見えています。銀河の基本的な性質や宇宙膨張の歴史に迫るための鍵となる貴重な天体です。

核融合科学研究所:National Institute for Fusion Science(NIFS)

LHD.png

超高温プラズマを定常維持させる大型ヘリカル装置(Large Helical Device:LHD)プラズマを閉じ込める真空容器内部

 持続可能な新エネルギーを開発することは世界の最重要課題です。恒星のエネルギー源である核融合を地上で実現した暁には、燃料となる重水素とリチウムは海水中に豊富に含まれるため、人類は恒久的に安全で環境にやさしいエネルギーを入手できます。核融合科学研究所は、核融合エネルギーの早期実現のため、大型ヘリカル装置(LHD)を用いた実験研究、理論・シミュレーション、炉工学の各分野において、国内外の大学・研究機関と双方向で活発な研究協力を行い、優れた人材を育成し、核融合プラズマ等を対象とする学術研究を推進しています。

Topics od Research 01:大型ヘリカル装置を用いた超高温定常プラズマの研究

スクリーンショット 2023-03-24 14.45.03.png LHD全景

 大型ヘリカル装置(LHD)は、世界最大級の超伝導プラズマ閉じ込め実験装置です。重水素ガスを用いて、核融合条件の1つであるプラズマ温度1億2,000万度を達成しました。ヘリカル方式は、定常運転に適しています。LHD計画は、将来の核融合炉の実現を目指した超高温定常プラズマの物理と、その関連理工学の研究を推進しています。LHDが生成するプラズマは、核融合研究の他、宇宙物理から産業応用まで、多くの分野に研究のプラットフォームを提供しています。

Topics of Research 02:プラズマの計算機シミュレーション

スクリーンショット 2023-03-24 14.48.18.png

プラズマからの熱・粒子を受け止めるダイバーター材料の内部で、水素が拡散する様子のシミュレーションを可視化しています。

 核融合プラズマ中には、構成粒子である電子やイオンの運動に起因したミクロスケールの現象から、それらが集団として動くことによって生まれる装置サイズのマクロスケールの流体現象や、輸送現象までの多数の異なる時空間スケールをもつ現象が混在しています。これらの複雑な現象をスーパーコンピュータの中に再現し、核融合プラズマ現象を支配する物理法則の理解、更には装置規模でのプラズマ挙動を予測することを目指したシミュレーション研究を行っています。

基礎生物学研究所:National Institute for Basic Biology(NIBB)

NIBBbio.png

研究対象のさまざまな生物たちの図

 宇宙にある無数の星の中で地球の最大の特徴は、多種多様な生物に満ちていることです。約40億年の年月の間に、生物は多彩な姿と驚くような能力を獲得し、子孫を増やしてきました。基礎生物学研究所は、遺伝子・細胞・組織・ 個体・異種生物間の相互作用など、多階層における研究技術・手法の開発を推進し、多くの生物に共通する基本的な仕組み、生物が多様性 をもつに至った仕組み、及び生物が環境に適応する仕組みを解き明かす研究を、国内外の研究者と連携して行っています。

Topics of Research 01:生物の環境適応戦略を探る

スクリーンショット 2023-03-24 14.57.15.png

植物環境制御システム(ネットワークカメラにより遠隔地からの長期環境応答モニタリングが可能)

 生物は地球上の様々な環境に柔軟に適応し、多様な形や能力 を獲得してきました。天候により刻々と変化する光量に対応する光合成の調節メカニズム、生物が季節変化に対応するメカニズム、貧栄養の環境に適応した食虫植物の進化のメカニズムなど、生物の環境適応戦略 を解き明かす研究を 進 めています。また、生物間の共生関係の成立や維持など、未解明の現象を解き明かすための新たなモデル生物の開発に取り組んでいます。

Topics of Research 02:統合バイオイメージングの推進

スクリーンショット 2023-03-24 14.57.29.png 光シート顕微鏡で捉えたアメーバの動き

 基礎生物学研究所では、光シート顕微鏡技術、二光子顕微鏡、 IR-LEGO顕微鏡等の先端顕微鏡を用いた観察技術の高度化をはかると共に、取得された画像を解析する画像処理技術および 統計処理のための新規技術開発を進めています。また、共同利用 研究や、先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)を通じて、実験デザイン、画像取得からデータ解析までを統合的にサポートする活動を、国内外の研究者に向けて提供しています。

Topics of Research 03:大型スペクトログラフで光と生物との関係性を探る

スクリーンショット 2023-03-24 14.57.44.png 大型スペクトログラフ

 大型スペクトログラフは世界最大の大型分光照射施設で、 波長250~1000ナノメートルの紫外・可視・赤外光を全長約10 メートルの馬蹄型の焦点曲面に分散させ、強い単色光を照射 することが可能です。光合成の調節機構や光受容体の機能 解析など、光の波長と生物の反応との関係性を調べる研究に活用されています。

生理学研究所:National Institute for Physiological Sciences(NIPS)

NIPSconnection.pngSH_MR_34832_12.png

スクリーンショット 2023-03-24 15.10.56.png

左イメージ:ヒト脳の神経線維走行  右上:7テスラ超高磁場磁気共鳴画像装置  右下:7TMRIで撮影したヒト脳。100マイクロメートル単位の血管や神経を描出

 生理学研究所は、ヒトのからだ、とりわけ脳の働きに関する最先端 の研究を推進し、国内外の研究者と共同研究を行い、大学院生を含む若手研究者の育成を行う研究機関です。分子・細胞からヒト個体のレベルに至る様々なからだの仕組みを理解する多様な研究を支えるため、多くの世界最先端の測定装置が設置されています。生理学研究所は、これらの計測機器の測定・解析技術の向上に努め、国内外の研究者へ装置と測定技術を幅広く供することで、日本の生理学研究の中核を担っています。

Topics of Research 01:二光子蛍光寿命イメージング顕微鏡 (2pFLIM: 2-photon Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy)

スクリーンショット 2023-03-24 15.17.16.png

 蛍光分子間の相互作用による蛍光の変化を定量的に計測し、画像化する手法です。この方法を用いれば、脳組織内の細胞内やシナプス内で起こるタンパク質分子の状態を詳細に調べることができます。 右のイメージ図は、海馬切片内にある神経細胞内でのアクチン(細胞やシナプスの形態を維持するタンパク質)重合の画像です。GFP(緑色蛍光タンパク質)とYFP(黄色蛍光タンパク質)の変異体を融合させたアクチンを発現させ、2pFLIMで可視化しました。GFPアクチンとYFPアクチンが細胞内で結合すると色が暖色に変化します。樹状突起内と比べて、シナプス内でより多くアクチンが重合していることが分かります。

Topics of Research 02:位相差クライオ電子顕微鏡

スクリーンショット 2023-03-24 15.21.13.png

 タンパク質粒子やウイルス、細胞小器官などの生物試料を急速凍結により厚さ 数ナノメートルの非晶質の氷に包埋し、凍ったまま高真空の電子顕微鏡内に装填して最小量の電子線で観察します。このような少ない電子線量による無固定・ 無染色の生物試料の電顕像は、コントラストが低くなるため、必要に応じて電子顕微鏡用位相板を挿入して位相コントラストを回復します。

分子科学研究所:Institute for Molecular Science(IMS)

UVSORfigure.png

 分子科学は、分子がその姿を変化させる化学反応や分子間相互作用の本質を、理論と実験の両面から明らかにすることを目的とした学問です。分子科学研究所では、理論・計算、光、物質、生命・錯体を扱う4つの基盤研究領域に加えて、協奏分子システム研究センター、メゾスコピック計測研究センターを設置し、最先端の技術や装置が利用できる共同研究の場を国内外の研究者に提供し続けています。また、全国の72国立大学法人と連携し、 大学・公的研究機関・民間企業の研究者が各参画組織の所有設備を安価に共同利用できるシステム(大学連携研究設備ネットワーク)を構築しています。

Topics of Research 01:「分子」と「分子システム」をつなぐロジックを解析し、斬新な分子システムを創成する

スクリーンショット 2023-03-24 15.35.24.png

 協奏分子システム研究センターでは、「分子それぞれの性質が高次構造を持つ分子システムの卓越した機能発現にどう結びつくのか」という学問横断的な重要課題に取り組んでいます。 生命システムを手本に「個」と「集団」を結ぶ階層間ロジックを学び、分子システムがエネルギー・情報を協奏的に交換すること によって物質変換・エネルギー変換・生命的活動などの諸機能 を発現する原理の解明を目指しています。「柔軟かつ堅牢で卓越した機能を持つ分子システム」創成の拠点として共同利用・共同研究を推進し、学問や社会へ貢献することを目的としています。

Topics of Research 02:光で、分子の姿を捉える

スクリーンショット 2023-03-24 15.37.24.png

 分子がその機能を発揮する場の多くは、分子が単一のもの として存在しているのではなく、いくつもの種類の分子が集まり、分子のミクロな性質と集団としてのマクロな性質が影響を及ぼし合って、特徴的な機能を発現しています。このようなミクロとマクロの性質が影響を及ぼし合う時間・空間領域(メゾスコピック領域)の特性を解明・制御・開拓していくには、メゾスコピック領域の計測法を独自に開拓し、様々な系に適用することが重要との考えから、2017年4月に「メゾスコピック 計測研究センター」を設置しました。理論解析、光源開発、そして新たな計測法開拓、それらの応用までを含めた基礎研究基盤の提供を目指して活動しています。