イベント情報
自然科学研究機構シンポジウム
第11回自然科学研究機構シンポジウム Q&A
「宇宙と生命-宇宙に仲間はいるのか2-」(2011年6月12日開催)
講演者への質問とその回答
当日参加者の皆様から寄せられた質問に対する講演者の先生方からの回答です。
質問と回答
※頂戴した質問の中には、一部回答できないものがございました。ご容赦をお願いします。
Q1:バイオマーカーとして、N源としてのNH3やS源としてのSOあるいは、SO2などは使えないでしょうか。他に、NaClはP化合物などの可能性はあるでしょうか。
A1:
あまり詳しくないのですが、非生物学的な起源があるものは、決定的な証拠としては使えないと思います。(回答者:東京大学・須藤靖先生)
これらの分子は生物起源以外にも多量に存在するので、生物存在の指標としての意義は、酸素(オゾン)・液体の水などと比べると弱いと考えます。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q2:バイオマーカーで統計処理する手法は観測精度の不足をどのような形(あるいは、どの程度)補完できる可能性があるのでしょうか。
A2:
これはまさに我々が論文で定量的に示したことなので、定性的な説明は困難です。それを読んでいただくしかないと思います。(回答者:東京大学・須藤靖先生)
統計的推測は、観測の不定性を考慮して計算することができます。今回紹介された結果にも不定性が考慮されています。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q3:そもそも、地球は恒星でないのだから、第二の地球があったとして、そこから見ることは難しいのではないか。
A3:
今回の話は、地球が太陽の光を反射したものを観測するということですから、地球が恒星であるという仮定はしていません。(回答者:東京大学・須藤靖先生)
惑星は近くにある恒星の光を反射して光っています。あるいは、赤外線の波長では惑星自身も光っています。これらの微弱な光を恒星と見分けて検出できる技術的見通しが立ちつつあるが現状です。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q4:色から、その星の特長が分かる、ということがとても新鮮でした。その色の識別は、どのくらい遠いところの星まで適応できるのでしょうか。ありがとうございました。
A4:
観測装置に依存するのですが、我々が想定しているのは、30光年先程度以内にある地球型惑星です。今後の観測技術の進展が本質的ですね。(回答者:東京大学・須藤靖先生)
惑星の光はとても微弱なので、遠方の惑星を詳しく調べるのは難しいので、まずは地球にごく近い(30光年未満)の星の周りの惑星の色が調べられるでしょう。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q5:可視光線の世界から赤外線の世界へ視座を変えると、宇宙はどこまで変わっていくのか、不思議に思います。
A5:
我々は可視光でしか眼では見えませんが、天文学が他波長へ展開したことで宇宙観が一変しました。赤外線天文学も大きな貢献をしていますが、宇宙生物学でも活躍が期待できますね。(回答者:東京大学・須藤靖先生)
可視光だけでなく、赤外線、電波、紫外線、X線などで宇宙を観測することによって、これまでは一面しか見えていなかったと理解できることが天文学では良くあります。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q6:大変おもしろく聴かせて頂きました。地球がHZでは無いと聞きおどろきました。しかし、エンケラドスやエウロパの様に、内部海を持つ衛星も有る事が分かってきている状態で、恒星からの距離だけで、HZを決めるのは無理があると感じます。大気成分・惑星から重力などを加えてHZを決める必要があるのではないでしょうか?
A6:まず、地球はHZにありますので誤解しないようにお願いします。HZの定義は「(十分な温室効果があれば)その表面に液体状態の水が存在できる軌道領域」ですので、地球の場合、大気の温室効果が低下すれば、水は凍ってしまうのです。すなわち、HZというのはハビタブルであるための"必要条件"であって,ハビタブルであることを保証するわけではありません。一方、定義によって、内部海はHZの対象外です。今後は、ハビタブルな条件や領域についてより広い観点からの検討が必要といえるでしょう。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q7:地球がスノーボールになったとき、植物は活動していたのでしょうか。CO2がたくさんあれば、活発に光合成してO2をたくさん放出するのかなと思いました。
A7:光合成にはCO2のほかに水と太陽光が必要ですが、全球凍結下の地球では太陽光が届く領域の水はすべて凍結してしまいます。したがって、光合成はできないことになります。(回答者:東京大学・田近英一先生)
A8:温室効果を持つ気体はたくさんありますが、長時間スケールでみた場合、その濃度が自律的に調節されて気候を安定化する性質を持つものはCO2しか知られていません。その意味において、CO2は特別な役割を果たす温室効果気体なのです。二番目のご質問ですが、「暴走温室」ではなく「無凍結」でしょうか?無凍結状態から部分凍結状態に気候ジャンプが生じる可能性は知られています。ちなみに、いったん暴走温室状態になってしまうと、エネルギーの条件(日射量など)が変わらない限り、別の状態へ抜け出すことは困難です。 (回答者:東京大学・田近英一先生)
Q9:連続的CO2の供給が、地球生命の存在にとても大切なのに、なぜ今、温室効果ガスCO2の削減が世界で叫ばれているのでしょうか?CO2は水に溶けるはずで、海の水はまだ飽和状態になっていないと思うのですが...。又、スノーボールアースにならないためには、ある程度のCO2が今日必要であると、お聞きしましたが...。
A9:人類によるCO2の放出速度は、温暖環境を保つために必要な速度の数百倍~数千倍というものです。つまり、不必要に大量のCO2を放出し続けていることになります。したがって、CO2の放出削減が必要だということになります。一方、大気中のCO2濃度が低下しすぎると、温室効果が足りなくなって、地球は全球凍結しますが、現在の十分の一以下のレベルにならない限り大丈夫です。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q10:地球の気温を左右する要因は、CO2濃度の変化以外にも考えられるように思うのですが、水蒸気量、メタン量、雲量などで、全球凍結が起こることは考えられないのでしょうか?
A10:全球凍結状態は、温室効果が激減するか、地球が受け取る日射量が大幅に低下するか、その両者によって生じます。その意味では、CO2以外の要因でも全球凍結に陥る可能性はありますし、そのような仮説もあります。ただし、それらの中でCO2濃度の低下が最も考えやすい、ということです。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q11:全球凍結状態で表面が凍った時でも、内部には何の影響も及ぼさないですか?
A11:地球内部は地表の水が凍っているかいないか(=地表温度が摂氏0度以上か以下か)でほとんど何も影響を受けません。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q12:CO2が減少していくと全球凍結が起きる原因は理解できますが、現実にCO2の減少要因としてどのようなことが考えられますか。
A12:たとえばCO2の供給プロセスである火山活動が低下したり、CO2の消費プロセスである光合成活動の活発化などが生じれば、大気中のCO2減少します。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q13:地球が温暖化によって、住める環境にあることから、よく、「火星をテラフォーミングしよう」という意見が出ます。太陽からの距離は良いとしても、質量(重力)面では大丈夫なのでしょうか。
A13:テラフォーミングでは気候の温暖化や大気の組成変化(温暖化のためにCO2を増やしたり呼吸するためにO2をつくったり)が議論されていますが、人間が居住するためにはほかにもさまざまなハードルがあります。そのひとつとして、重力も問題になると思いますし、宇宙線や放射線、紫外線をどのように遮蔽するかなども大きな問題でしょう。火星に人間が住めるようにすることはかなり困難であるように思われます。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q14:(図を参照下さい)進化のスピードに関係してくるのでしょうか。とても興味深く面白かったです。ありがとうございます。
A14:全球凍結そのものは、地球の進化には影響がありません。しかし、生物の進化には、大量絶滅と環境変化を通じて、きわめて大きな影響があった可能性が考えられます。進化のスピードというよりも、地球環境そのものを変化させて(たとえば大気中の酸素濃度を増加させて)、生物が新しい環境に適応する、という意味で重要な進化をもたらしたのではないかと考えられます。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q15:ハビタブルプラネットの概念は、進化するものでしょうか。
A15:どのような惑星がハビタブルプラネットといえるのか、まだ研究途上にあります。その意味では、ハビタブルプラネットの概念は今後大きく変わっていく可能性は十分あります。(回答者:東京大学・田近英一先生)
Q16:ヒ素生物では、ATPの代わりにATAsが使われたりもするのでしょうか。
A16:今回の論文で確認しているわけではありませんが、DNAやRNAにヒ素が使われているのであれば、おそらくATPの代わりにATAsが使われているはずです。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q17:Si生物や、As生物、Se生物がいるとしたら、そのような星はどのような環境にあると考えられるでしょうか。また、それらの生物がいる可能性を考えて、ハビタブルゾーンを想定すると、太陽系であればどの辺の領域が該当するでしょうか。
A17:何れの場合にも溶媒として何を使うかが重要です。Si, As, Se生物であっても、溶媒として水を使うのであれば、ハビタブルゾーンは変わりません。SiO2を溶媒とする生物を考えるのは不可能では無いかもしれませんが、かなり大変そうです。もし可能であれば、中心星のかなり近傍までハビタブルとなります。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q18:恐ろしいことですが、元素だけで人工生命体を作り(造り)出せるかな。生命の心は何で出来ているのですか。
A18:地球型生物からの類推では、高分子化合物が必須に思えます。従って、どのような元素を用いたとしても、高分子化合物ができるかどうかが重要になります。生命の心(精神活動)は高度に複雑化した神経細胞の回路網によっています。どのような生物であれ情報伝達活動細胞の高度化がおきれば、精神活動(心)を生み出す可能性があると思います。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q19:SFが元ネタですみません。酸素の代わりにフッ素を使う生命は考えにくいでしょうか。
A19:フッ素は一価なので、酸素と異なり原子と原子を繋ぐことができません。フッ素でなく、硫黄が酸素の代わりをする可能性のほうがもう少し高いように思います。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q20:NASAがもったいぶって発表した印象ですが、専門家から見て妥当な扱いだったのでしょうか。それとも、学術的な評価とは関係なく発表されたのでしょうか。
A20:NASAの意図以上にマスコミおよびWeb上で影響を与えてしまいました。発表の時のタイトルにあった「アストロバイオロジー」が一般の人向けには不適切だったと思います。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q21:生命に関するリン化合物は、核酸の他にATPなどがあると思うのですが、ヒ素生物はエネルギー代謝でもヒ素を使っていると考えられるのですか?
A21:今回の論文で確認しているわけではありませんが、DNAやRNAにヒ素が使われているのであれば、おそらくエネルギー代謝でもヒ素が使われているはずです。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q22:H2Oの代替として、CH4が考えられるとの事ですが、CH4の場合、水の特徴である水素結合の役割は、どのように代替できるのでしょうか。
A22:CH4を溶媒とした場合に、水素結合の役割を持つ物は無くなります。水素結合はDNAやタンパク質構造維持に重要な役割を果たしていますが、水素結合なしの塩基ペアは既に報告されています。水素結合は生命にとって必須ではないかも知れません。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q23:地球人の考える生命の定義はもう小さいと思いました。陸が必要?地球上の生命は、水の中から進化したと思うのですが(違っているかも)、地球には土がありますが、土は生物が作ると聞いた(地球だけのような記憶)ことがあるような?そうすると生物→土→陸?はっきり覚えていないので帰って調べます。
A23:
生命の定義はまだ学問的議論の対象で、すべての研究者の一致があるわけでは有りません。今回紹介した定義も今後変わる可能性もあります。生命はおそらく水の中で誕生しました。ただし、現在わかっている範囲では、核酸の合成に陸が必要です。土と言う場合には、岩石細粒の他に生物起源の粒子が含まれていますが、核酸合成は乾いた場所があれば大丈夫で、土は不要です。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q24:火星の生物について興味が有ります。地中で生物の生存が可能との事でしたが、同様の条件を地球上で再現し、検証はしないのでしょうか?また、火星に生物がいたとして、その生物は地球の生命と同じような構造を持っていると考えられますか?この生物は(いたとしたら)、地球の条件下で生育可能でしょうか?パネルディスカッション中に、進化には温度よりもO2の濃縮が必要だったと話されていましたが、低温では反応速度が遅くなると思います。どの程度、温度が進化に影響を与えると考えられますか?
A24:はい、すでに地球生物の生存可能性を火星模擬環境で検証した結果の報告もあります。地球生物の火星表面での生存についてはそれほど大きな問題は無いように思います。火星の初期環境が地球に非常に似ているので、炭素化合物(おそらくアミノ酸)を使う点では地球にそっくりだろうと推定しています。細胞の形も大きさも地球の微生物にそっくりだろうと推定しています。地球でも生育できるかもしれませんが、生育速度はおそらく非常におそいので、心配はないと思っています。ただし、火星から色々な物を持って帰るのは、念には念をいれ様々な注意が必要です。温度の進化への影響は研究が無いのでわかりません。ただし、もし単純な化学反応と同じだとすると10℃下がると速度が2倍から数倍遅くなります。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q25:アミノ酸の話で、L型とD型の話がありました。そこで、地球上の生命は全てL型のアミノ酸からできているのに、人工的にアミノ酸を作ると、両方の型ができてしまい、それはなぜかという疑問がありました。そこで思ったのは、L型のアミノ酸でないとDNAがうまく作れない、あるいは、上手く自己複製ができないのではと考えたのですが、DNAの複製において、L型でもD型でも関係ないのでしょうか。また、生命として使われているアミノ酸は全てL型であったとしても、地球上に存在する全てのアミノ酸までL型だけなのでしょうか。もし、天然にD型のアミノ酸が発見されれば、L型でないと生命が作れない理由のヒントになるような気がするのですが。
A25:天然のアミノ酸はすべて酵素反応で作られています。酵素反応はL型とD型のどちらかだけを作れる(反応できる)という性質をもっています。ご指摘の様に、アミノ酸もDNAもRNAもL型とD型のどちらかで無いとうまく働かないので、進化の過程でどちらかが選択されたのであろうと推定されています。現在と逆に、すべてD型のアミノ酸にすれば生物は作れます。すべてD型のアミノ酸でタンパク質を作ったという研究があります。従って、どちらかで有れば良いので有って、D型でもL型でもどちらでも大丈夫です。L型のアミノ酸が選ばれたのは偶然か、構造そのものとは別に理由があるという事になります。生物の中には非常に特殊な場合にD型のアミノ酸を使っているものがいます。例えば細菌の細胞壁、抗生物質(D型アミノ酸でできているものがあります)です。これらは、L型のアミノ酸をD型にわざわざ変えてから使っています。何れもL型アミノ酸を分解する分解酵素から逃れる為である可能性が高いです。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q26:自然科学が発達した現代において、神話はもはや「神話」としてしか受け入れられなくなっていますが、先生にとって、「人と宇宙との関わり」とは、どの様なものでしょうか?よろしければ、先生の宇宙観を教えて下さい。
A26:
宇宙の誕生から宇宙の膨張の過程でエントロピーが増大しています。おそらく、それが理由で生命が誕生したので有ろうと推定しています。ただし、まだだれも解明していない未知の知識です。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
科学によって宇宙を構成する物質と地球上の生きものである私たちをつくる物質とのつながりが明らかになりました。ですから、私たちは宇宙の一部であり、全体とつながっているという実感があります。この感覚は、古代の人がこのようなことは知らずに日常感じていたことと重なるかもしれません。古代の神話をこのような形で受け止めています。また、137億年前に誕生した宇宙の中にさまざまな星が生まれ、その一つである地球に38億年ほど前に生きものが生まれたという歴史もわかってきました。ここでは長い時間の中でのつながりが実感できます。このような長い時間と大きな空間の中にいる自分を考える物語りは、「新しい神話」と呼んでもよいほど、私たちの感性に訴えるものがあると思っています。(回答者:JT生命誌研究館・中村桂子先生)
系外惑星の発見を契機に、私たちは「我々は宇宙で唯一無二か」というような人類の宇宙観を変える問いにようやく科学的に答えられるようになりつつある時代を共有できていることは素晴らしいと思います。(国立天文台・田村元秀先生)
Q27:皆さん共通で~。銀河系の中で、生命の存在する天体はどれぐらいあると思いますか?これまでの研究成果をふまえつつ(矛盾しないレベルで)、希望もこめてで構いません。夜空を見上げた時に、どれぐらい期待して見上げようかと。
A27:
生命の誕生がどの程度難しいかという事にかかっています。ただし、今の所、太陽や太陽系が特殊とはいえず、太陽系約10個の惑星の中で1個(最低)生命が誕生していますので、太陽と同じタイプの恒星には生命がいても良いのではないかと思っています。ただし、サンプルが一つですから誤差は10倍か、百倍か非常に大きいです。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
系外惑星の観測結果から、第2の地球は銀河系内でも少なくとも50億個はあると考えられます。知的生命でなければ、何らかの生命を持つ惑星が沢山あることを期待して夜空を見上げてくださって良いのでは、と個人的には思います。(回答者:国立天文台・田村元秀先生)
Q28:全球凍結の時代でも、少ないが生物がいたと解釈したのですが、前から気になっていたのですが、地球環境を基本に考えた場合ではなく、熱さや冷たさなど地球では作り出せない環境や温度、最悪水がない場合でも、生物・生命などが生まれる、またはいるという可能性はゼロに近いのでしょうか?地球にいる生命体に似たものではなく、予想外な"生命体"がいてもいいんじゃないのかなと、少し疑問に感じました。
A28:
宇宙には地球型生物とは異なるものが存在していたとしてもまったく不思議はないように思います。私たちの生物に関する理解はまだまだ不十分であるため、地球型とはまったく異なる生物を想像することが困難なだけではないでしょうか。しかしそれでも、液体の水の存在は、化学反応の溶媒という意味で、かなり重要ではないかと思われますが。(回答者:東京大学・田近英一先生)
細胞の中が液体でない状態は想像ができません(絶対無いということではありませんが)。従って水以外の溶媒(メタン、アンモニア)等の生物可能性は否定できません。これらの生命は地球よりかなり低温環境で存在することになります。それでは、どんな生命なのだと考えようとするととても難しく、「はいこんな生き物です」とはとてもこたえられる様な研究はまだ有りません。(回答者:東京薬科大学・山岸明彦先生)
Q29:全体を伺って...。まず、望月先生の原核生物で24hを知っているものがあることに興味を持ちました。ハビタブルゾーンについてですが、地球の月の潮汐力やジャイアントインパクトにより、自転の時間が1周数時間から24hになった説や、地軸の傾き等ミックスし、生命誕生には、皆様の説の必要なものの他にも、"月"の存在を持つ、特別なエネルギーがあるのでは...?と思いました。だって、1日が(自転1周が、4~5時間から8時間だなんて、早くて、細胞周期もおかしなことになるし、やはり)24時間ということも、ハビタブルに考えた方が良いような...?広がる夢もあるけど、たった一つの地球も大切に思いたいです。
A29:地球の自転速度は時間とともに遅くなっていることが知られており、生命が誕生した頃の1日は、現在よりもかなり短かったことは確実です。また、将来は1日の長さが現在よりも長くなっていきます。それでもやはり、地球はハビタブルだといえるのではないでしょうか。 (回答者:東京大学・田近英一先生)
Q30:今日のスライドをもっとじっくり見たいです。
A30:講演者の先生にお作り頂いたスライドにつきまして、写真やデータによっては、公演中にお見せすることはできても、インターネット等で公開することはできないもの等が含まれております。このため、インターネットや印刷物としてお見せすることができない状況です。申し訳ありませんがご理解をお願いします。