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自然科学研究機構シンポジウム

第7回自然科学研究機構シンポジウム Q&A

第7回自然科学研究機構シンポジウム
「科学的発見とは何か―『泥沼』から突然『見晴らし台へ』」(2009年3月20日開催)
講演者への質問とその回答

当日参加者の皆様から寄せられた質問に対する講演者の先生方からの回答です。


質問と回答

Q1: 過度なダイエット、糖尿病もオートファジーを引き起こすのか。
A1:過度のダイエットは当然オートファジー誘導すると思われます。糖尿病の病態とオートファジーの関係は直接的ではないと思われますが、その過程で誘導されると思われます(回答者:大隅先生)


Q2:オートファジーとアポトーシスの関係とちがいについて、新たな研究の可能性があれば、簡単に解説いただけると理解が深まるように思う。
A2:アポトーシスは細胞レベルでの生命体がもつ細胞の品質管理機構で,要らない細胞や危険な細胞を除去する機構だと考えるといいと思います、一方オートファジーは細胞内の不要なタンパク質の除去機構で本来的には細胞の生存のための機構だと思います。(回答者:大隅先生)


Q3:人がやらないことをやろうという精神、大変すばらしいと思うのですが、自信のない若い時代には、人がやらないことはリスクが高く論文が書けないのではないかとの不安にとりつかれます。先生はその不安をどう克服されたのですか?
A3:生命科学の発見はいずれどんな過程をたどるかはわかりませんが、誰かが遅かれ早かれ発見するものだと思います。一瞬の論文の発表の早さを競っても楽しいものではありません。素晴らしい研究は何らかの点で,これまで人が何らかの理由でやらなかったことをした結果です。今の時代誰かが見てくれていると思うことが大切ではないかと思います。(回答者:大隅先生)


Q4:学生のとき、生体膜のDSCをやっていました。ATGの御研究とのインタラクションは何かありますか?(plasma membrane相転移等)。当時、大阪大学の砂本順三先生のフィールドの研究室に所属していました。FISHもやっていました。H+-pumpもやっていました。とてもなつかしい用語も聴けて興味深かったです。ありがとうございました。
A4:オートファジーの最も興味深いことは、膜が、外界のシグナルに基づき新たに細胞質中に形成されると言う現象にあります。膜は膜からしか出来ないと言うこれまでの研究者も通念を変えることになるかも知れないと思っています。その点で膜の細胞内動態の理解と極めて密接に関連していると思います。(回答者:大隅先生)


Q5:DNAがタンパク質形成に関わっていることは教科書に書かれております。それでは、細胞内の膜構造形成のメカニズムについてもDNAがどのように関わっているのか解明されているのでしょうか?
A5:全てのことがDNAに書き込まれている訳ではありません。初期発生は、卵の持つ様々なオルガネラとして膜構造を持っており、その初期条件のもとで、核内のDNAから膜タンパク質を含めて新たに合成され,膜構造も合成され,細胞分裂にともない分配されていきます。それは自立的な機構だと考えていいと思います(回答者:大隅先生)


Q6:人間(生物)の細胞では、きが状態になくても、なぜアポトーシスが起きるのですか?⇔酵母では、きが状態にして実験
A6:アポトーシスは高等生物がもつ細胞の質的な制御機構だと考えるのがいいのではないかと思います。不要になったり、危険になった細胞はアポトーシスと言う機構で除去されます。アポトーシスを誘導する条件は細胞ごとに多岐にわたりますが、飢餓もその一つです。オートファジーは一義的には細胞の生存戦略だと思います。(回答者:大隅先生)


Q7:思うような成果が上がらない時期に、どういったことが心の支えになりましたか。
A7:研究をする上で、いつも発見が相次ぐものではありません。一方小さなことで工夫したり、発見できたりすることに喜びが持てることが大切だと思います。(回答者:大隅先生)


Q8:
1.超巨大ブラックホール(またはその候補)が存在する銀河の名称をあげていただけませんでしょうか。
2.銀河円盤と超巨大BHの複合天体形成プロセスについてこれまでにどのような考え方が提示されていますか。
A8:
1.NGC4258,IC2560,天の川銀河の中心,アンドロメダ銀河の中心などです。
2.銀河円盤というよりも銀河バルジ(銀河の内側の丸くふくれた部分)と巨大ブラックホールの質量に相関があり、両者の形成過程が関係しているのではないかと推測されています。しかし、その理由はまだよくわかっていません。小さな銀河が合体して現在の大きな銀河ができたという銀河形成理論においては、小さな銀河にあった中質量のブラックホールも合体して巨大ブラックホールが出来たという説、またバルジ中の星団において中質量のブラックホールが形成され、それが銀河の中心に落ちてきて合体し、さらに周囲の星やガスを吸い込んで巨大ブラックホールができたとする説などがあります。(回答者:中井先生)


Q9:一応、理科の教員をしていますが、重力崩壊した天体がブラックホールになる等のことは、何となく分かります。宇宙に何割くらいのブラックホールが存在するのですか?時空とブラックホールとの関係について、リサ・ランドールの5次元等を基に簡単に教えて下さい。
A9:前者の質問に関しては、銀河の中心に巨大ブラックホールが存在する可能性の程度により、片手で数える程度の数から数十個程度まで人によって異なり、またブラックホールが存在する状況証拠を示す銀河は数万個あります。(人によっては全ての銀河の中心に巨大ブラックホールがあると推測している人もいます)。後者の質問は意味がよく理解できません。(回答者:中井先生)


Q10:水メーザーの発生するメカニズムを教えて下さい。
A10:原理はレーザーと同じですが、宇宙空間では自然に発生します。もう少し詳しく言えば、地上の大気のように気体の密度が高い場合は粒子(分子)同士の衝突によってある2つのエネルギー準位にある粒子数の比が決まり、必ずエネルギーの低い方の準位により多くの粒子が存在するというボルツマン分布になります。ところが宇宙空間では気体の密度が非常に小さいために必ずしも粒子同士の衝突によってエネルギー準位間の遷移が起こるのではなく、自然遷移(アインシュタインのA係数)や電磁波の放射吸収(B係数)による遷移の方が卓越することがあります。この場合はボルツマン分布ではなくなるので、必ずしも下のエネルギー準位にある粒子の数が多くなる必要はありません。水(気体なので水蒸気)分子はその構造によりある2つのエネルギー準位間において、遷移確率(A係数、B係数)をいろいろ計算すると下の準位よりも上の準位にある粒子(水分子)の数が多くなる2準位が存在します。この場合、エネルギーの高い準位により多くの粒子があるので不安定な状態であり、外からその2準位のエネルギー差に相当する振動数の電磁波が入射してくると誘導遷移を起こして上の準位から下の準位に遷移し、電磁波を放射します。これが水分子間で次々に発生すると非常に強いメーザーを起こします。(回答者:中井先生)


Q11:大変面白い話をありがとうございました。水のメーザー発振(22GHz)のエネルギー準位はどことどこの間ですか。励起(負温度)生成の機構は何ですか。
A11:水分子の回転量子数Jとその射影であるKa、Kbで表わして(J_KaKb)=(6_16-5_23)の間の遷移です。宇宙空間では気体の密度が非常に低いため、2つのエネルギー準位間の遷移が粒子(分子)の衝突よりも電磁波の放射吸収による遷移の方が卓越する場合があります。その状況において、水分子はその構造によりJ_KaKb=6_16の準位に上から遷移してくる確率と下に遷移する確率の差によるその準位での滞留確率が同様なJ_KaKb=5_23の準位の滞留確率よりも大きくなります(上の準位の粒子数が多くなる)。これは不安定な状態なので、その2準位間のエネルギー差に相当する振動数の電磁波が入射してくると誘導放射を起こして上の準位から下の準位に遷移します。これが水分子間で次々とカスケード的に起きると強いメーザーが発生することになります。(回答者:中井先生)


Q12:アルマはなぜチリがいいのか。2つのガス円盤の境目の問題と未知の可能性の両面でもう少しご解説くださるとよい。
A12:電波でも周波数が高くなると大気中の酸素や水蒸気などによって宇宙からくる電波が吸収されてしまいます。したがって地上で良い観測をするためには酸素や水蒸気が少ない土地に望遠鏡を置く必要があります。チリ北部は砂漠地帯でよく乾燥しており、また標高が5000mもあるので酸素も水蒸気も少ないので宇宙から来る電波がよく地上まで届き、観測に有利なのです。ガスは広がっており粘性もあるので、2つのガス円盤が異なる方向に回転しているとその境界でガス同士が大規模に衝突している可能性があるので、どのような構造になっているのか大変興味があるわけです。(回答者:中井先生)


Q13:メーザー作用の結果の水素からの電波を観測されているとのことですが、
1.励起水素があると理解してよいですか?
2.とすると、その分布密度と分布範囲の情報が得られませんか?(例えば、メーザー作用のないスペクトルと比較して弱い?)
A13:
1.水素ではなく、水(水蒸気)です。励起した水分子があります。
2.(質問内容が十分には理解できませんが、)水分子の分布と運動を観測的に求めて高速で回転しているガス円盤が見つかりました。(回答者:中井先生)


Q14:なぜものを吸い込むブラックホールから長大なジェットが生じるのですか。
A14:ブラックホールに必ず落ち込んで抜け出ることができないのはブラックホールからある距離(重力半径またはシュバルツシルト半径と呼びます)より内側です。その距離より外側では必ずしも吸い込まれるわけではありません。銀河の中心に巨大質量のブラックホールがあると、その周囲のガスがブラックホールの引力によって回転しながらブラックホールの方向に流れこんできます。ところが重力半径よりももっと遠くのところで大量のガスが集まり、高速で回転するためにガス同士の摩擦で非常な高温になります。そのためガスは非常に明るく輝いてその輻射圧でガスを吹き飛ばしたり、ガスにからみついている磁場がねじれてその磁場のエネルギーでガスを吹き飛ばすと考えられています。(回答者:中井先生)


Q15:プラズマ閉じ込め装置全体を10m程度、自由落下させて、無重力状態を、1秒弱つくり出し熱対流をとめます。この間に、種火をつくることは、可能ですか?
A15:講演では湯を沸かすときの熱対流の例を挙げました。プラズマ閉じ込めの問題では、重力以外に原因があるので、自由落下では解決出来ません。話は変わりますが、重力によって起きる対流や乱流にも重要なテーマがあります。無重力状態に近づけどのように制御出来るか、研究している人たちがいます。着想を大事にして考えてみてください。(回答者:伊藤先生)


Q16:H-modeがわかっても、核融合にはまだ次の壁があるとすると何でしょうか。
A16:実用化のためには、燃える事を実証した後、定常的に燃え続けるように保つ事が必須です。核融合燃焼状態を定常的に保つ事には、様々なチャレンジが残っています。(回答者:伊藤先生)


Q17:プラズマ加熱での変態点はFeを過熱した場合に密度変化が生じる現象と理論的に関係があるのだろうか?
A17:直接の関係はありません。(回答者:伊藤先生)


Q18:プラズマは、とても興味深いものですね。元々「ワケの分からないモノ」という意味なので、魅力があるのだろうと思います。研究のしがいのあるテーマなので、今後の研究成果が楽しみです。
A18:なにをお読みになって「元々ワケの分からないモノ」とおっしゃっているのか分かりませんが...。本日の話に限らず、森羅万象様々なテーマにプラズマは現れますので、興味を持って注目くだされば幸いです。(回答:伊藤先生)


Q19:霊長類で視覚野発現遺伝子が特異的だということは、霊長類と他の生物では見えているものがちがうということか。大脳皮質連合野の中で、あるいは霊長類の脳機能として視覚の占める役割に特別なものがあるのではないか?
A19:そのように考えています。例えば、最近私たちは、セロトニン受容体(14種類知られている)のうち、2種類が霊長類の視覚野で非常に多く発現していることを見いだしました。これらの受容体のサブタイプに特異的に作用しその働きを増強する薬物(アゴニスト)を霊長類視覚野に局所的に投与すると、視覚刺激に応答する一次視覚野の神経細胞にノイズが低減したり、コントラストが強調されたりすることがわかりました(Watakabe et al.,Cerebral Cortex,Dec.04,2008,Epub)。マウス(げっ歯類)では、このセロトニン受容体サブタイプの視覚野特異的発現はみられませんので、マウスと霊長類では、同じ対象(もの)を見ていても一次視覚野での視覚情報処理が異なる(結果として違うようにみえている)と考えられます。このような,高次な視覚機能は,霊長類の視覚進化の過程で獲得されてきたものと考えています。(回答者:山森先生)


Q20:精神というものは脳の産物であると考えていますか?精神は肉体を超越した所にあるという考え方をどう思いますか?研究者は本質的に探求者であるべきだと思いますか?
A20:狭義の精神は、脳の産物と考えています。2番目の質問は、人によって精神の定義がかなり違うので、回答が難しいところがあります。例えば、小説、絵画、音楽等の芸術は、人間の脳の所産ですが、人間個体の外にあり、個人を超えて継承されます。しかし、継承された芸術を理解することも、結局のところヒトの脳活動の所産です。最後の質問ですが、私は、研究者は本質的に探求者だと思います。(回答者:山森先生)


Q21:理科の教員をしていますが、学生の頃、heat shock proteinについて知り、興味を持ちました。Chaperone protein等ユニークなbehaviorの分子もあり、とても興味深いものだと思っています。現在の研究は、今日のお話に収集されていますか?参考書籍等あれば御教示下さい。
A21:ご指摘のように、ヒートショック蛋白質の主要なものは、新生蛋白質に結合し折りたたみ(フォールデング)を制御することがわかりました。おそらく、このことにより、高温での熱エネルギーにより蛋白の折りたたみに異常が起きないように制御していると考えられています。但し、これらの発見は,全て私が1982年に神経科学に転じて以降、他の人によって発見されたことですので、現在の私の研究と最近のヒートショック研究との直接的関係はありません。(回答者:山森先生)


Q22:発光性分子の付加は細胞の視覚化のためと理解しますが、だとして、発光のスペクトル、時間応答などの観測からに何か情報が得られるのではないでしょうか。
A22:GFPを用いて特定の遺伝子を発現する細胞だけを視覚化する方法が2008年のノーベル賞を受賞しています。これは非常に有用なのですが、私達が細胞内カルシウム濃度の計測使っている蛍光試薬は、細胞の存在を視覚化するものではありません。ご指摘のようにカルシウムイオン濃度に依存した蛍光スペクトルの変化を利用することによって活動している細胞内のカルシウムイオン濃度変化を視覚化することができるのです。(回答者:工藤先生)


Q23:(CA2+はシナプス部位でのセカンドメッセンジャーやミオシンの活性化として、働いていることは授業でも教えています。)理科の教員をしている者ですが、高校生の時にグリアセルのことをブルーバックス等で知り、興味を持ちました。そのときは、実は脂質であるニューロンの間隙を埋めているグリアが、実は重要な働きをしていると書いてありました。星状グリア等3種類のグリアの働きについての参考書籍等があれば御教示下さい。(何だか、グリアの立場は、ジャンクDNAと似てますね)
A23:高等学校の生物の教科書にも確かにグリア細胞の存在については述べられており、グリア細胞の一種であるオリゴデンドログリアが神経軸索に巻き付いて、有髄神経を形成し、神経信号の伝導速度を高めることについては解説されています。しかし、星状グリア(アストログリア)や小グリア(ミクログリア)についてはほとんど機能は解説されていません。実はこれらの細胞が血管からニューロンへの栄養補給に関わったり、脳で使われた神経伝達物質を取り除いたり、損傷を受けた神経回路を修復したり、その他にも驚くほど重要な機能を果たしていることはこれまでにもよく知られています。しかし、これらの細胞に認められていたのは脳機能をサポートする機能だけでした。ところが、これらの細胞はこれまでニューロンだけが関わっている考えられていた脳の情報処理機能にも積極的に関わっていることが明らかにされてきたのです。
参考文献:工藤佳久グリア研究の新しい展開Brain and Nerve「神経研究の進歩」59巻7号「特集情報処理におけるグリアの機能と異常」P655-668(2007)(医学書院)
(回答者:工藤先生)


Q24:大変興味深い発表ありがとうございました。真核生物、タンパク質の50%程が糖鎖修飾をうけているという事実には驚きました。ペプチドでも核酸でも脂質でもなく、例えば、免疫グロブリンの構造維持になぜ糖が都合がよかったのか、といった問題から、生体内での糖の役割はこうだ!というような答えに関しては、どのようなお考えをお持ちでしょうか?
A24:これは大変難しい質問で、私たちも同じ疑問につき動かされて糖鎖の構造生物学研究を行っています。糖鎖は一定の構造をしておらず、例えば細胞の中では3本の枝に分岐した糖鎖が酵素によって段々と刈り込まれていき、その過程で生じる様々な構造の糖鎖がタンパク質の折りたたみ・輸送・分解などの運命を決定する標識になることが明らかとなりつつあります。また、完成された糖タンパク質といっても、それは糖鎖構造が微妙に異なった不均一な集団であることが普通です。これによりタンパク質の性状や機能が幅をもち、しかも状況に応じた調節を受けることが可能になるのかもしれません。こういった仮説を実証していくことは糖鎖生物学の重要な課題であり、それを実行するための基盤がようやく整ってきたところと言ってよいでしょう。(回答者:加藤先生)


Q25:糖鎖の構造はゲノムでなく、環境のみで決まるのか?ゲノムで決まるとしたらどこまで?
A25:糖鎖は様々な酵素(糖を?いでいく酵素や刈り込む酵素)の働きによってかたちづくられています。これらの酵素はもちろんゲノムにコードされているのですが、その作用によって出来上がってくる糖鎖の最終的な構造は、完成度の違いなどを反映して不揃いなものになってしまいます。また、酵素の細胞内における量や分布や活性は生理的状態などに依存して変動するため、その結果、糖鎖の発現パターンも変化するものと考えられます。その意味では、糖鎖の構造は環境的な要因によって規定されることになります。(回答者:加藤先生)


Q26:理科の教員をしています。理学部出身ですが、NMRは学生のときに学びました。生物化学、分子生物学を専攻していましたので、今日のお話はとても興味深く聴かせていただきました。システム生物学、構造生物学はゲノム解析後の最先端ですよね。グロブリンの生成や働きは利根川さんの研究で解明されてきましたが、可変部のantigenに対する適応の多様性について参考書籍等御教示下さい。
A26:薬学部の学生に向けた教科書ですが、「薬系免疫学」(南江堂、植田正、前仲勝実著)は、免疫学と構造生物学の関連などについても書かれています。(回答者:加藤先生)


Q27:
1.DNAが進化するとはどういうことですか?
2.がんの病をなおす方法は?
A27:
1.進化という言葉は原則として生命体に対して用いるものです。進化の基本にはDNAの変化(変異、重複、水平移動など)があります。つまりDNAの場合は変化という言葉を用いるのがよいと思います。
2.がんの病をなおす方法:これは書籍一冊分の内容を求められるテーマであり、一言でお答えすることは難しいのでお許し下さい。生命科学では、"がんとはどのような病気か"を知る研究が進められており、がんに関わる遺伝子の探索、それらがどのようにはたらくかのメカニズムの解明がなされていますが、手強い相手です(ヒトゲノム解析も出発点はがん研究にあり、ゲノム解析の成果もがん研究に生かされています。これを系統的に進めているのは米国です)。(回答者:中村先生)