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イベント情報

第36回自然科学研究機構シンポジウム

先人の足跡を掘り起こし、発見の旅をつづける

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山田 奨治(やまだ しょうじ,Shoji YAMADA)
人間文化研究機構 国際日本文化研究センター 教授

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□ 略歴

1986年   筑波大学第三学群社会工学類卒業

1988年   筑波大学大学院修士課程医科学研究科修了,日本アイ・ビー・エム株式会社入社

1992年   筑波技術短期大学視覚部情報処理学科助手

1996年   国際日本文化研究センター助教授、総合研究大学院大学助教授

1998年   京都大学博士(工学)

2011年    国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授

この間、ケンブリッジ大学東洋学部、フランス社会科学高等研究院、ハーバード大学ライシャワー研究所、ブリュッセル自由大学(ULB)、国立西洋美術館、京都国立博物館などで客員研究員などを勤める。

□ 講演要旨

 人文学は、過去の人類の膨大な営みをふまえ、そこに新しい知見を付け加えようとする不断の試みだといえます。人文学が使う資料の中心は文字資料です。科学の実験のように自らデータを生み出して解析することとは違い、過去に誰かが作った資料を発見し、解読し、解釈することをとおして、新しい知識を組み立てます。

 20世紀の終わり頃には、人文学にもデジタル化の波が届きました。紙媒体で伝えられてきた文字や画像の資料を、テキストデータ化や画像スキャニングをすることで電子媒体に保存し、コンピュータの画面でみることができるようになりました。21世紀に入ってからは、それらをインターネット回線を使って共有したり、さらには無料で広く公開することが一般的になっています。

 国立国会図書館からは、180万件を超える書物の全ページ画像が登録ユーザーに公開されており、OCRによる文字検索ができるようになりつつあります。これにより、特定の言葉の初出や「はやりすたり」を調べる新たな道が拓けました。また、国文学研究資料館では、30万点を超える江戸時代以前の古典籍の画像データベースを完成させました。わたしの研究室でも、明治から大正にかけて国家プロジェクトとして編纂された、「古事類苑」という67,000ページを超える大百科事典のテキストデータ化や、妖怪についての記録のデータベース化に取り組んでいます。

 こうして蓄えられた「ビッグデータ」を使って、どうすれば人文学の新知見につなげていくことができるのかが、積年の課題になっています。

□ 最近ハマっていること、趣味など

滋賀の自宅近くに畑を借りて、野菜や果樹を育てています。