Press Room
イベント情報 詳細
第32回自然科学研究機構 川合 眞紀 機構長プレス懇談会
(機構長プレス懇談会は、報道各社の皆様と、ライターの皆様限定で開催しています。大変申し訳ありませんが、その他の皆様からのご参加希望につきましては、お断りをさせていただいております。何卒ご了承ください。)
開催概要
今回の懇談会のテーマは「学際研究を加速するオープンデータサイエンス」とし、核融合科学研究所が推進している研究データのオープンアクセス事業と、研究データがオープンとなったことで飛躍的な発展が見込まれている、高エネルギー天文学の研究成果トピックスを紹介します。
核融合科学研究所では、過去25 年におよぶ世界最大級の超伝導プラズマ閉じ込め装置(Large Helical Device: 以下LHD)を用いたフュージョンエネルギー実験データを2023年より完全オープン化しています。そして昨年(2024 年)12 月には、国際的なデジタルオブジェクト識別子(Digital Object Identifier:以下DOI)を付与した実験データの登録件数が1 千万件を突破しました。この数字は現時点において、世界最多の登録件数となります。
近年、世界的にフュージョンエネルギーの早期実現への期待値が高まりつつあります。世界の各国がさまざまな方式の核融合炉開発に着手し、威信をかけて実現を目指していることは、皆様もご存知かと思います。そこで得られる実験のデータはオープンにされることはほぼありません。このような中、核融合科学研究所がデータのオープン化へ踏み切った目的と展望について、核融合科学研究所長の吉田善章より皆様に解説いたします。
話題提供では、はじめに、研究データのオープンサイエンス化について、実務を担当した中西秀哉から紹介します。膨大な研究データをオープンアクセス化し、今回1 千万件まで登録件数を伸ばしたことが、プラズマサイエンス分野へどのような貢献を果たすことになるのか、データサイエンスの観点からお話しします。
次に、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所の山口弘悦先生の研究を紹介します。山口先生は、JAXA が2023 年に打ち上げたX線分光撮像衛星XRISM (クリズム) の副プロジェクトサイエンティストとして、プロジェクトの科学活動を牽引されています。また、超新星の残骸やブラックホールの周辺に存在する高温プラズマを実験室で再現する「実験室宇宙物理学」を推進し、核融合科学研究所との共同利用研究にも従事されていました。今回のデータオープン化に伴い、宇宙科学分野の新たな可能性と将来的な展望についてお話をいただきます。
懇談会はNINS 内に会場を設け、対面式にて開催します。講演者は全て会場にて参加しますので、皆様ぜひご来場ください。会場参加が難しい方は、オンラインシステムZOOM を用いたライブ配信を並行して行いますので、オンラインよりご視聴ください。参加を希望される場合は、別添の返信用紙に必要事項を記入し、以下のアドレスへご送信いただきますようお願いします。オンラインでの参加を希望された方に対しては、担当者より別途ZOOM のID とパスワードを送信いたします。
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日 時:令和7年2月7日(金)15時から2時間程度(意見交換含む)
会 場:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構事務局会議室
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル2階
オンライン配信:あり(ZOOM)
オンライン視聴をご希望の方は、別添の申込用紙に記入の上メールにて
お申し込みください。
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講演者情報
講演1:「フュージョンエネルギー研究データの公開登録数が世界初の一千万件を突破!」
中西 秀哉(なかにし ひでや) 核融合科学研究所 准教授
<ご略歴>
1990年 東京大学工学部原子力工学科卒業
1992年 東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻修士課程修了
1995年 東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻博士課程 単位取得退学
1995年 核融合科学研究所大型ヘリカル研究部プラズマ計測研究系助手
2003年 総合研究大学院大学数物科学研究科核融合科学専攻 博士(工学)取得
2007年 核融合科学研究所大型ヘリカル研究部高温プラズマ物理研究系准教授
2011年 総合研究大学院大学物理科学研究科核融合科学専攻准教授(併任)
2023年 核融合科学研究所研究部可知化センシングユニット准教授(~現在)
2023年 総合研究大学院大学先端学術院核融合科学コース准教授(併任)(~現在)
講演2:「宇宙科学と核融合科学のシナジー 〜オープンデータへの期待〜」
山口 弘悦(やまぐち ひろや)JAXA 宇宙科学研究所 准教授
<ご略歴>
大阪府出身。2008年に京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士課程を修了。理化学研究所、ハーバードスミソニアン天体物理学センター、NASAゴダード宇宙飛行センターを経て現職。 X線天文衛星XRISMの副プロジェクトサイエンティストを務める。