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第12回若手研究者賞受賞者紹介

南野 尚紀(熊本大学(基礎生物学研究所) 特任助教)

講演テーマ『植物細胞の精子への大変身​』

顔写真_南野.jpg

イメージング解析で植物の精子が作られる仕組みに迫る

​ ​生殖は生物が次の世代に子孫を残すための重要なイベントのひとつです。植物の生殖というと、花粉を介した受粉をイメージされるのではと思いますが、コケやシダなどの一部の植物は動物と同じように動く精子をつくり、精子自身が水の中を泳いで卵へとたどり着き受精します。「動かない」イメージの植物も精子のような「動く」細胞を作り出すことができるのです。しかしながら植物の精子がどのようにして作られるのか、その具体的な仕組みについてはほとんど明らかになっていませんでした。私たちはコケ植物のゼニゴケを使って、植物の精子が作られる仕組みの解明を目指しています。

 本講演では、まず一つの細胞が精子へと変化していく過程を顕微鏡で詳しく観察することで明らかにした細胞内のダイナミックな変化についてお話しします。そして、精子を作るには細胞内の「分解する」仕組みがとても重要であることを発見した結果についてもお話ししたいと思います。

<略  歴>

2009年  3月 大阪星光学院高等学校 卒業

2013年  3月 東京大学 理学部 卒業

2015年  3月 東京大学大学院 理学系研究科修士課程 修了

2018年  3月 東京大学大学院 理学系研究科博士課程 修了

2018年  3月 博士(理学)の学位取得(東京大学)

2018年  4月~20203月 基礎生物学研究所 NIBBリサーチフェロー

2020年  4月~20233月 基礎生物学研究所 特任助教

2023年   4月~現職

研究テーマ:Studies of the membrane trafficking system during plant spermiogenesis(膜交通が植物の精子形成を制御する仕組みの研究)

<研究者を目指したきっかけ>

 小学校の卒業文集に「将来研究者になりたい」と書いており、その時から研究者という職業に憧れを持っていました。中学・高校の授業で生物学に興味を持ち、大学の顕微鏡観察の実習で植物細胞の面白さ・奥深さに触れたことで、細胞生物学の研究者になることを決めました。出会いを大事にしていけば自ずとやりたいことは見つかるので、まずは目の前のことを全力で取り組むのが大切だと思います。

<自慢の一枚>

 自分で撮影した顕微鏡写真のうちお気に入りの一枚です。液胞と呼ばれる細胞の中の構造を緑色、細胞同士の間を赤紫色で示しています。将来精子になる細胞の中にまんまるの液胞がひとつずつみられる様子が僕としてはとてもきれいだなと思っています。顕微鏡で細胞を観察しているときが研究をしていて一番楽しい時間です。

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<最近はまっていること、趣味など>

 食べることが好きで、よく自分で料理もします。料理の過程はどこか実験と通ずるところがあるかもしれません。美味しいお店巡りも大好きで、その過程でたくさんのかけがえのない友人にも恵まれました。