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第12回若手研究者賞受賞者紹介

小川 国大(核融合科学研究所 准教授)

講演テーマ『核融合発電を実現するには』

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核融合プラズマを加熱する高いエネルギーを持つイオンを閉じ込める

 気体を更に加熱すると、イオンと電子がバラバラになっているプラズマという状態になります。私たちは、プラズマの電気的な特性を使って、1億度のプラズマを磁場のカゴで閉じ込める研究を行っています。核融合発電では、プラズマ中の水素同士の核融合反応でできた高いエネルギーを持つヘリウムイオンでプラズマを加熱し、ずっと燃やし続けます。核融合発電が実現するためには、カゴの形を工夫して高エネルギーイオンをうまく閉じ込める必要があります。また、高エネルギーイオンが溜まり過ぎると、その圧力によって磁場のカゴを揺らし、磁場のカゴの揺れによって高エネルギーイオンが磁場のカゴの外に逃げてしまうことが懸念されています。

 本講演では、高エネルギーイオンがプラズマの中に閉じ込められている様子、及び磁場のカゴの揺れによって高エネルギーイオンが磁場のカゴの外に逃げる様子を観測した結果などを紹介します。

<略  歴>

2003年 3月  岐阜県立関高等学校 卒業

2006年 3月  立命館大学 理工学部退学(飛び級のため)

2008年 3月  名古屋大学大学院 工学研究科修士課程修了

2010年 4月  日本学術振興会特別研究員(DC2)

2011年 3月  名古屋大学大学院 工学研究科博士課程修了

2011年 3月  博士(工学)の学位取得(名古屋大学)

2012年 4月  核融合科学研究所 COE研究員

2013年 3月  核融合科学研究所 助教

2020年 1月  核融合科学研究所 准教授

研究テーマ:Study on energetic particle confinement in helical plasmas(ヘリカルプラズマにおける高エネルギー粒子閉じ込めの研究)

<研究者を目指したきっかけ>

 父が電気工事士だったので、高校生の時には、電気系に進もうかなと考え、大学は電気電子工学科へ進みました。大学では、発電や変電の仕事が楽しそうかなと、Web検索をしていたところ、まだ実現していない核融合発電の研究があることを知り、飛び級をして核融合を研究している大学院へ進みました。大学院に入り、研究が楽しそうだったので、博士を取得しました。気づいたら今になっていました。自分の興味に向かって進んでみるのも良いかもしれません。

<自慢の一枚>

 2019年7月19日『世界初、ヘリカルプラズマにおける 高エネルギー粒子の閉じ込めを実証 ―将来の核融合炉プラズマの持続燃焼に見通し―』、及び2023年3月9日に『先進的核融合燃料を使った核融合反応の実証 ―中性子を生成しない軽水素ホウ素反応を利用したクリーンな核融合炉への第一歩― 』という形で、世界初といえる成果を挙げました。この結果についてプレスリリースを行い、各種新聞、地元テレビ、Webサイト等で広く報道されました。国内外の共同研究者のお力添えの賜物です。写真は、2023年3月9日のプレスリリースの様子です。

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<最近はまっていること、趣味など>

 趣味はサイクリングです。元は運動不足解消を理由に始めたのですが、鉄製クロスバイク ⇒アルミ製マウンテンバイク ⇒ カーボン製ロードバイクと順調に沼にハマっており、琵琶湖一周、鈴鹿サーキット8時間耐久レース(写真)等、単独、或いは自転車で繋がった方々と共にいろいろなところへ行きます。電車や車で行く際には見つけられないものを見つけたり、知らない人としゃべったりと、新たな発見があります。後は、職場の皆さん・息子と釣りにも出かけます。プロフィールの写真は、舌平目を釣り上げた際の満面の笑みです。

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