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第13回若手研究者賞受賞者紹介

小杉 貴洋(分子科学研究所 助教)

略歴
2000年 静岡県立浜松北高等学校卒業
2005年 京都大学薬学部卒業
2007年 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
2012年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了,博士(理学)
2012年4月 米国ワシントン大学 博士研究員
2015年6月 分子科学研究所 助教

生命38億年の進化を超える挑戦

生き物の中で働いている分子タンパク質をデザインする

 生命はおよそ38億年という長い年月をかけて進化してきました。その過程で、生命の主要な成分であり、その活動において様々な重要な働きを担っている分子であるタンパク質も、多様な機能を獲得してきました。

 私は、生命が作ることのなかったタンパク質分子を生み出すことや、生命が作り出した素晴らしい機能を持ったタンパク質分子を改造することで、より良いタンパク質を創り出すことを目指して研究を行なっています。タンパク質は20種類のアミノ酸が繋がった高分子であり、一般的にどの種類のアミノ酸がどのような様な順番で並ぶのか(アミノ酸配列)が決まると、それに応じて特定の形に折りたたまり特定の機能を発揮します。いま地球上にいる生命が持つタンパク質は、長い進化を経て、現在のアミノ酸配列となりました。

 では、我々はどうやってアミノ酸の種類と順番を選べば良いのでしょうか?自身の研究結果を紹介しながらお話しできたらと思います。

自慢の一枚

コンピューター(左)を使ってデザインしたタンパク質を、大腸菌(右)や酵母に作ってもらい、様々な測定を行なってその形や機能を確認しています。思った通りのものができていると、自分が考えていることが正しかったことになり、とても嬉しいです。また、新しく創ったものは、世の中に新たな可能性をもたらすものであり、もっともっと色々なことができるようになるのではと思ってワクワクします。

研究者を目指したきっかけ

小さい頃から「なぜだろう?どうしてだろう?」とよく考えていた気がします。そして、我が子も「なぜ?どうして?」と問いかけてきます。新しいことを知りたいという気持ちは多くの人が持っている自然な欲求であり、きっと私はただそれに従った結果として研究者になったのだと思います。自分の欲求に従って生きてみるのも良いかもしれません。

普段の小杉先生はどんな人?

いろいろな生き物(イモリ、メダカ、アサガオなど)の世話をしています。毎日成長していく姿を見ていくのが楽しみです。写真はまだ泳げないイモリの子供です。