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第13回若手研究者賞受賞者紹介

森下 侑哉(京都大学 助教)

略歴
2014年 岡山県立倉敷青陵高等学校 卒業
2018年 京都大学 工学部卒業
2020年 京都大学大学院 工学研究科修士課程修了
2023年 京都大学大学院 工学研究科博士課程修了,博士(工学)
2023年 京都大学大学院工学研究科 助教

核融合プラズマのデジタルツイン制御への挑戦

計算機上の核融合プラズマを使って実体を制御する

 核融合発電を実現するための方式として、プラズマ状態(イオンと電子がバラバラに運動している状態)となった燃料(水素)を磁場に閉じ込め加熱することで核融合反応を生じさせる方式が有力視されています。この方式では、長い時間にわたって一億度を超える超高温のプラズマを維持・制御することが必要になります。しかしながら、核融合プラズマの中には様々な現象が存在し、それらが互いに影響し合うことで全体の挙動が非常に複雑になります。そのため、核融合プラズマの挙動を制御するためには、多くの要素を考慮した高度な予測制御技術が必要になります。

 こうした核融合プラズマの制御を実現するために、私たちはコンピュータ上に核融合プラズマを再現し、それに基づいて制御を行うデジタルツイン制御システムの開発に挑戦しています。この講演では、制御システムの開発に関する今までの成果および苦労についてお話しします。

自慢の一枚

現在、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に実装しているデジタルツイン制御システムは、多くの高度な技術が組み合わさってできています。これは、それぞれの専門家の協力があって初めて実現できるものです。この研究は、もともと一人でシミュレーションの研究を行っていた私に、チームでの研究の楽しさや本物の核融合プラズマに触れる機会を与えてくれました。写真は、開発した制御システムの初適用時の成果をプレスリリース発表した時のもので、一部の共同研究者と撮った集合写真です。

普段の森下先生はどんな人?

趣味は、家の近くの鴨川を散歩することです。学生の頃はほとんど毎日鴨川に会いに行っていましたが、最近は週に一回くらいになっています。色んなことがどうでもよくなる感じが心地いいです。