イベント情報
第13回若手研究者賞受賞者紹介
太田 雅人 (核融合科学研究所 助教)
アインシュタイン"最初"の宿題
超高速計測を用いた相対性理論の可視化
皆さんは、アインシュタインが発表した、相対性理論に関する最初の論文をご存知でしょうか?
それは1905年に発表されたもので、タイトルは、"運動物体の電気力学について"です。この論文の中で、時間の遅れや長さの収縮といった、私たちの常識を覆す理論が提唱されたのでした。その後、様々な現象において相対性理論が正しいことが理論的・実験的に確かめられています。また、相対性理論は、GPSや原子力発電等の我々の現代生活の一部にもなりました。しかし、皮肉なことに、上述した論文のタイトル(運動物体の電気力学について)が指し示す、「電磁場の収縮」という現象の直接的な検証は行われていませんでした。つまり、アインシュタイン"最初"の宿題は一世紀以上にも渡って残され続けていたわけです。
本講演では、この「電磁場の収縮」を超高速な計測手法を用いて可視化したという成果をご紹介します。相対性理論の写真をお見せしたいと思います。
自慢の一枚
研究者を目指したきっかけ
中学生の頃に、本を読んで、初めて相対性理論を知りました。当時は全く内容が理解できず、物理学者というのは頭がおかしいのだろうと思いました。ただ、なぜかその時に、「相対性理論を理解する」ということを人生の目標の一つに掲げることにしました。紆余曲折はあったのですが、気づいたら、相対性理論をテーマとした物理学者になっていました。