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第13回若手研究者賞受賞者紹介

下村 拓史(生理学研究所 助教)

略歴
2001年 私立土佐高等学校 卒業
2006年 京都大学理学部 卒業
2008年 京都大学大学院 理学研究科修士課程修了
2011年 京都大学大学院 理学研究科博士課程修了,博士(理学)
2011年 京都大学 特定研究員
2012年 名古屋大学 特定研究員
2015年 生理学研究所 助教

光で探るイオンチャネル分子の隠しコマンド

Illuminating the Hidden Commands of Ion Channels

 わたしたちの脳の情報処理は、無数の神経細胞が互いに連結してネットワークを形成し、その間で電気信号をやりとりすることで実現されています。この電気信号を生み出す基本素子が、神経細胞膜上に存在し、特定のイオン(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)を通す機能を持つ「イオンチャネル」とよばれるナノメートルサイズの小さな孔です。イオンチャネルはタンパク質でできた分子機械であり、細菌からヒトに至るまでほぼすべての生物に存在し、様々なかたちの電気信号を生み出しています。

 本講演では、この精巧な分子機械がどのようなかたちをし、どのように機能しているのかについてお話します。また、目では到底見ることのできないイオンチャネルの極微な動きを、光を使ってとらえる方法についても紹介したいと思います。

自慢の一枚

光依存性チャネルを発現させたカエル卵母細胞に光照射を行い、電流応答を見ている際の写真です。電気生理学実験はだいたい電流の波形データとにらめっこする(奥深いが)地味なものですが、これは多少見栄えがする写真かなと思います。光を当てた瞬間に電流が増減するのを見ると、見えないけれどちゃんとチャネル分子がそこにいて動いていることを実感します。

研究者を目指したきっかけ

きっかけかはっきりしないですが、小学生のころに科学図鑑を読みこむのが楽しかった記憶があります。その後、高校の授業で生物学に興味を持ち、大学の専門講義を聴講して引き込まれた、という流れでした。自分の中でつい時間を忘れて没頭してしまうことはなんだろう?ということを意識してみると、やりたいことや将来の夢につながるかもしれません。

普段の下村先生はどんな人?

流し見程度ですが、NHKの大河ドラマシリーズはここ数年続けて視聴しています。もともと歴史は好きで、昨年の「どうする家康」は岡崎市にゆかりがあることもあって興味を呼び起こされ、気づいたらWikipediaで将軍家の情報などをひたすら漁っていました。小学生の娘が最近歴史に興味が出てきたようなので、史跡などを一緒に巡れたらいいなと思っています。