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第14回自然科学研究機構若手研究者賞受賞記念講演
前山 伸也 (核融合科学研究所 准教授)
前山 伸也 Shinya MAEYAMA
自然科学研究機構 核融合科学研究所 准教授
<略歴>
2004年 青森県立弘前高等学校 卒業
2008年 東京工業大学工学部 卒業
2009年 東京工業大学大学院理工学研究科修士課程 修了
2012年 東京工業大学大学院理工学研究科博士課程 修了
博士(工学)の学位取得(東京工業大学)
2012年 日本原子力研究開発機構 博士研究員
2014年 日本原子力研究開発機構 任期付研究員
2015年 名古屋大学大学院理学研究科 助教
2020年 名古屋大学大学院理学研究科 講師
2023年 核融合科学研究所 准教授
<受賞歴>
2025年 吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞 優秀賞
2024年 令和5年度JT-60共同研究優秀賞
2023年 AAPPS-DPP Young Researcher Award
文部科学大臣表彰若手科学者賞
2020年 名古屋大学石田賞
2018年 第12回日本物理学会若手奨励賞
2016年 第21回プラズマ・核融合学会学術奨励賞
2014年 日本原子力研究開発機構理事長表彰・研究開発功績賞
2013年 SC13 Best Poster Award
2013年 JSST2013 Research Award
講演概要
フュージョンエネルギー(核融合エネルギー)は将来のエネルギー源として期待され、国内外で研究開発と産業化に向けた取り組みが進められています。私は高温プラズマを磁場で閉じ込める核融合炉の実現を目指し、プラズマ中に自発的に生じる乱流現象に注目して研究してきました。乱流はプラズマ閉じ込めの難しさの本質であり、複雑な波や渦、構造や揺らぎの理解がその鍵を握ります。スーパーコンピュータを用いたシミュレーションでその性質を調べていく中で、従来の乱流理論への新たな問いや、地球磁気圏・惑星大気・化学反応論との類似、揺らぎの持つ統計的性質やデータ科学的モデリングなど、多様な研究とのつながりを実感しています。本講演では、核融合プラズマ乱流を起点とし、物理・数理・データ科学を横断する研究の魅力と私が日々感じているワクワクを、高校生や非専門の方々にもお伝えしたいと思います。
研究者を目指したきっかけ
幼い頃から「なんで?どうして?」とよく聞く子どもだったと両親に言われます。核融合炉との出会いはあるゲームでした。その後、実際に開発が進められている次世代エネルギーだと知り、将来そういう仕事もありかなと思ったのが高校生の頃です。特に研究者を目指したわけではありませんでしたが、「プラズマって何だ?」「乱流って何だ?」「もっと知りたい、分かりたい」と自分の興味に従っていくうちに、気づけば研究の道に入っていました。