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「ヒューマングライコームプロジェクト」本格始動!ヒトの糖鎖情報を網羅的に読み解き、⽣命の神秘に挑む
昨年11月、⽂部科学省 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術研究の⼤型プロジェクトに関する作業部会 の事前評価(報告)が公表されました。この中で指摘された評価結果や留意点を踏まえ、⽣命科学領域において初の ⽂部科学省「⼤規模学術フロンティア促進事業」 として、「ヒューマングライコームプロジェクト(英語名:Human Glycome Atlas Project:HGA)」を東海国⽴⼤学機構(名古屋⼤学、岐⾩⼤学)、⾃然科学研究機構ならびに創価⼤学が実施主体として、始動することとなりました(代表:⾨松健治 東海国⽴⼤学機構・理事)。
糖鎖は、核酸やタンパク質と並び、⽣物の⽣命活動に⽋かせない「第3の⽣命鎖」とされています。しかし、その構造の複雑さや取り扱いの難しさから、系統だった解析が難しく、従来は研究者が個別に研究を進めてきたのが現状です。
本プロジェクトでは、上記研究拠点が互いに連携し、⽇本の総⼒を挙げて糖鎖情報を世界に先駆けて網羅的に読み解くことを⽬指します。そしてその情報を幅広く利⽤するシステムを構築することで、従来の概念「セントラルドグマ」を越えて遺伝⼦、タンパク質だけでなく、第3の⽣命鎖、糖鎖を加えた新たな⽣命観「拡張セントラルドグマ」を打ち⽴てます。
⽣命機能の解明をさらに推し進め、その成果が医療をはじめとしたさまざまな研究分野で応⽤されることを⽬標にしております。
なお、機構直轄センターのひとつである「生命創成探究センター(The Exploratory Research Center on Life and Living Systems:ExCELLS)」は、複雑な糖鎖の基礎的な機能解明から、糖鎖を自在に合成する技術開発に至るまで、本プロジェクトを研究面から支えてまいります。
本プロジェクトの始動にあたり、令和5年2月16日(木)に東海国立大学機構、創価大学ならびに当機構の3機関が一堂に会し、合同記者会見を開催しました(写真は会場となった文部科学省記者会見室にて撮影)。