Press Room
イベント情報 詳細
第11回若手研究者賞記念講演
サイト更新情報
○ 8月26日
若手研究者賞記念講演動画アーカイブを終了しました。
一部公開継続をご希望いただきました講演者の動画については、引き続き自然科学研究機構公式YouTubeチャンネルにて公開しています。
○ 7月26日
若手研究者賞受賞者の講演アーカイブ動画を公開しました。
各講演者のサイトにて、それぞれの動画をアップしています。
○ 7月17日
若手研究者賞記念講演会は恙なく終了しました。視聴いただきました皆さま、本当にありがとうございました。
後日アーカイブ動画をアップしますので、見逃したという方は今しばらくお待ちください。
○ 7月3日
・要旨集をサイトへ掲載しました(ダウンロードはサイト最下部へ)
・Youtube LIVE動画画面をサイトへ掲載しました
・ニコニコ生放送動画画面をサイトへ掲載しました
自然科学研究機構では、新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み成果をあげた優秀な若手研究者を対象として「自然科学研究機構若手研究者賞」を授与しています。第11回授賞式に伴い、受賞者5名による受賞記念講演会を開催します。様々な分野の最先端の研究について紹介する、高校生から大人までお楽しみいただける講演会を、オンラインにてLIVE配信させていただくことになりました。
講演の後は、国立天文台から渡部潤一 特任教授をお迎えし、5名の受賞者と共に10年後の科学の未来を徹底予測するパネルディスカッションを開催します。皆様ぜひご視聴ください。
開催概要
タイトル: |
トップランナーたちの挑戦、最先端のその先を切り拓け! |
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日時: |
2022年7月16日(土)13時30分~17時20分 |
視聴方法: |
YouTube LIVEおよびニコニコ生放送にてライブ配信!(URLは後日公開します) 当日はこのページからもご覧いただけます(事前申し込み不要) |
参加費: |
無料 |
主催: |
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 |
講演内容: ※講演内容は変更となる場合がございます。 |
『視力300万の瞳で探る巨大ブラックホール』秦 和弘先生(国立天文台 助教)
銀河の中心に潜むモンスターの素顔を暴く ブラックホールという言葉は宇宙に詳しくない人でも一度は耳にしたことがあるでしょう。アインシュタインの一般相対性理論をもとに予言され、光でさえも飲み込むミステリアスな天体として有名です。今ではほぼ全ての銀河の中心には巨大なブラックホールが存在し、その多様な活動性は銀河の形成や宇宙進化の歴史にも大きな影響を与えていると考えられています。しかしブラックホールの性質は未だ未知な部分が数多く、視力の良い望遠鏡でブラックホールにできるだけ近い領域を詳しく観測する必要があります。 私は超長基線電波干渉計(通称VLBI)と呼ばれる、極限の視力を実現する観測手法を駆使することで、巨大ブラックホール周辺のガスの運動などを詳しく観測し、その正体や多様な活動性を生み出す原因を研究してきました。本講演では、ブラックホールの撮影をはじめとする、私がこれまで行ってきたVLBIによるブラックホール観測研究の最前線についてお話します。 <研究テーマ> Observational study of supermassive black holes with high resolution radio interferometers (超高解像度電波干渉計に基づく巨大ブラックホールの観測的研究)
『超流動ヘリウムの奇妙な沸騰』高田 卓先生(核融合科学研究所 助教)
極低温工学という世界への招待 超流動ヘリウムという聞きなれない言葉は、ヘリウムを絶対零度まで冷やした時に現れる液体の1つの状態のことを意味しています。ヘリウムはいくら冷やしても凍らず液体のまま存在することが出来る唯一のモノです。大気圧では摂氏マイナス約269度でヘリウムガスは液体に変化しますが、更に冷やして摂氏マイナス約271度よりも低い温度になると液体の性質が激変し「超流動ヘリウム」と呼ばれる状態に変わります。そんな超流動ヘリウムの中では、生活に身近な沸騰という現象も随分と様子が違って見えてきます。条件次第で色んな姿を見せる沸騰の写真が撮影出来ます。こうした観測から超流動ヘリウム中の沸騰の熱の流れが見えてきます。 これまで私はこういった基礎研究を進める中で様々な他分野への協力、そして他分野からの協力など極低温工学研究の世界が広がることが体験できましたので、その一端をお話しできればと思っています。 <研究テーマ> Thermo-fluid dynamics in Superfluid Helium (超流動ヘリウムにおける熱流体現象)
『からだの中の位置情報・方向性の情報』三井 優輔先生(基礎生物学研究所 助教)
分泌性蛋白質を「見て」理解する 私たちヒトを含めて、動物のかたちを見てみると、頭があって、手足があって、極めて秩序だった体が作られていることがわかります。このような秩序ある体が作られるためには体のなかに何らかの位置情報があると考えられます。また私たちの髪の毛や腕の毛を見てみると毛の向きが揃っていて、方向性があることがわかります。このような体の中の位置や方向性の情報はどのように決まっているのでしょうか? これらの情報は、分泌性の蛋白質「Wnt(ウィント)」によって与えられることが知られています。このWnt蛋白質の濃度は場所により差があり(濃度勾配と呼ばれる)、細胞がその濃度を読み取ることで位置情報などが与えられると考えられてきましたが、その分布はこれまでほとんどわかっていませんでした。そのWnt蛋白質を「見る」ことにこだわって研究をしています。 百聞は一見に如かず、と言いますが、顕微鏡での観察から今まで知られていなかったことがいろいろ分かってきました。 <研究テーマ> Regulations of positional and directional information of cells by secreted signaling proteins. (分泌系シグナル蛋白質による細胞の位置や方向性の情報の制御)
『感覚免疫学』丸山 健太先生(生理学研究所 特任准教授)
感覚システムと免疫システムのクロストーク 感覚系と免疫系の研究は古来より独立した分野として発展を遂げており、両者の相互作用は殆ど研究されてこなかった。我々は感覚系と免疫系の関係性を理解するための研究を展開し、真菌感染によって生じる炎症と骨破壊が痛覚神経によって抑制されていることを発見した。また、痛覚神経に真菌受容体が発現し、これが真菌感染随伴疼痛を発生させている分子機構を解明したほか、腸に発現する機械刺激受容体が腸炎や骨代謝を制御している一面を明らかにしてきた。また最近では、痛覚神経が脳の代謝を制御することで敗血症死を防いでいることを見出した。 一連の成果は感覚系と免疫系が相互作用することで全身の生理機能を調節していることを示しており、「感覚免疫学」ともいうべき学際領域の提唱に至っている。当該領域の研究によって生理学と免疫学の双方に新しい発想が生まれ、これまでにない鎮痛薬や免疫調節医薬の開発が期待される。
<研究テーマ> Pioneering Senso-immunology (感覚免疫学の開拓)
『分子の界面を使って光と電気を自在に変換する!』伊澤 誠一郎先生(分子科学研究所 助教)
有機光デバイスの高効率化と新たな光機能の創出 私の研究対象は、スマートフォンディスプレイやテレビなどに最近使われるようになった有機ELや、次世代の発電技術として期待される有機太陽電池です。実はその内部で起こっていることは、有機色素の二種類の分子の間の界面で、電気が光に変換されたり、逆に光が電気に変換されたりすることで、光ったり、発電したりしています。 私はその二種類の有機色素の分子の組み合わせを工夫して、界面で起こる光と電気の変換を自在に操ることで、有機ELや太陽電池の効率の向上や、目に見えない赤外線を明るい可視光に変換する新しい光機能を創り出したりしてきました。 本講演では、私がこういった研究を始めた経緯や、どのようにして新しいアイディアが生まれたかなどの話にも触れながら、最新の研究成果について紹介していきたいと思います。分子科学研究の面白さの一端を感じて頂けたら幸いです。 <研究テーマ> Photon Upconversion at Organic Semiconductor Interface (有機半導体界面を利用したアップコンバージョン)
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プログラム
開 式 | |
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13時30分 挨拶 自然科学研究機構長 川合 眞紀 | |
記念講演 | |
13時35分~14時05分 | 『視力300万の瞳で探る巨大ブラックホール』秦 和弘(国立天文台 助教) |
14時10分~14時40分 | 『超流動ヘリウムの奇妙な沸騰』高田 卓(核融合科学研究所 助教) |
14時45分~15時15分 | 『からだの中の位置情報・方向性の情報』三井 優輔(基礎生物学研究所 助教) |
15時30分~16時00分 | 『感覚免疫学』丸山 健太(生理学研究所 特任准教授) |
16時05分~16時35分 | 『分子の界面を使って光と電気を自在に変換する!』伊澤 誠一郎(分子科学研究所 助教) |
パネルディスカッション | |
16時45分~17時15分 |
「10年後の科学を徹底予測!現在の若手研究者たちが考える未来」 司会:渡部 潤一(自然科学研究機構 国立天文台 特任教授) |
閉 式 | |
17時15分 挨拶 自然科学研究機構 副機構長 渡辺 芳人 |
ポスター・チラシ・要旨集
ポスター
第11回若手研究者賞ポスター [PDFファイル/1.24MB]
チラシ
第11回若手研究者賞チラシ [PDFファイル/1.09MB]